コンパス製図法(2)ゾーニング・プラン検討編

エスキスをするほどでは無いが、ざっくり確認してから作図をしたい

インテリアコーディネーターのプレゼンテーション試験は試験時間が長くはありませんし、電卓を使った距離や寸法の計算ができないという事もありますので、エスキスをしっかり描いてゾーニングやレイアウトを計画するというのは結構しんどいです。しんどい位で済めば良いですが、図面の完成が間に合わなくなる危険もあります。
とは言え、例年ゾーニングの根本的な部分からそんなにあれこれ迷うような自由度のある設問の内容ではありませんし、特に直近の出題実績ではレイアウトに関しては迷う余地がほとんど無いような、難易度の低い問題が出題される傾向がより一層顕著になっています。せいぜい、

「この家具はこの向きで入るかな」
「この家具とこの家具を並べてこのスペースに納まるかな」
「ここに家具を置いたら人の動線が確保できるかな」

程度の確認ができれば十分です。

だからと言って、解答用紙にいきなり描き込むというのはリスクがありますので、最低限上に描いた事ぐらいは確認してから作図の作業に入りたいという人が多いのではないかと思います。
そこで必要最低限の確認ができるように私が独自に考え出した方法がありますので、紹介します。

コンパスを使う事が大好きな私は、この確認にもコンパスを使います。

[参考記事] 【元祖】コンパス製図法(1)基本編

具体的な事例で見て行きましょう。

ベッドルームの家具の配置を検討する

下の図の様なマンションのベッドルームに、
  • セミダブルベッド2台
  • 間口2000mm以上のクローゼットx2人分
を配置する、という設問の内容だったとします。



何となく、見た瞬間に部屋の中央に東枕でセミダブルベッドを2台を置いて、南北にクローゼットかなあ、ぐらいのイメージが湧いて来るような設問内容です。 

いきなり解答用紙に描き込むという選択肢もあり得ますが、その前に、ちゃんと配置できるかどうかざっくりとした確認程度はしておきたいなあ、というぐらいの気持ちになる人が多いと思います。
そこで、コンパスを活用してざっくり確認をしてみます。
真ん中に置こうと考えているベッド類の塊の南北方向のボリューム感をざっくり整理すると、およそ2800mmぐらいとイメージできます。頭の中でイメージできる人は考えるだけで十分ですし、不安のある人は下書き用紙や問題用紙の余白に落書き程度に描きながら考えてみても良いと思います。


この2800mmという寸法に合わせてコンパスを開きます。三角スケールに当てても良いのですが、かったるいですしおおよその目安を見るだけですので、答案用紙のグリッドを活用してしまいます。下の図の様にしておおよそ2800mmに合わせます。


それをそのまま答案用紙上の、ベッドルーム中央辺りに動かしてみます。すると、南北の壁沿いにそれぞれ奥行き600mm程度の奥行のクローゼットを配置して、さらに動線も確保できそうだという状態が確認できます。リアルに考えると結露しやすそうな北の壁に沿ってクローゼットを計画するのにはいささかの抵抗がありますが、インテリアコーディネーター試験ではあまりそういう事は気にしなくても大丈夫です。


これで配置が可能な事が確認できましたので、あとは直接解答用紙上に作図してしまえば良いと思います。ベッドに限らず、ダイニングセットやソファセットなどもこのようにしておおよそ配置可能かどうかを探ってみる事ができます。便利ですので、この様なゾーニングやプランニングの検討の段階でもコンパスを有効活用してみて下さい。


[参考記事] 【元祖】コンパス製図法(1)基本編

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