捨て線を引いていますか?
捨て線とは
捨て線とは、下書きや位置の基準として引く薄くて細い線です。捨て線を引くのは、インテリアコーディネーター試験に限ったものではなく、手描き製図の基本的な技法のひとつです。
例えば捨て線を引かずに矩形(長方形)を描くと、このようになりがちです。
ひと目見て分かると思いますが、コーナーが決まっていません。しかし捨て線を引くと、下の図のようにスッキリ解決できます。
捨て線は、図面の読み手に見せるためのものではなく、作図者が作図しやすくするための線なので、できるだけ細く薄く描いて、最終的には丁寧に消すのがベストです。ただ、残っていたとしても、薄く目立たない様に描いてあり、図面を見づらくする様なものでなければ減点の理由になるような事はないでしょう。また、着彩の指示ある図面では、消さなくても着彩に埋もれる事によって見えなくなるという場合もあります。特にインテリアコーディネーター試験は制限時間にあまりゆとりがありませんので、後から消すという前提で考えずに、消さない事を前提に、目立たず図面を汚くしない様な捨て線を引くという発想で作図するのが妥当でしょう。
捨て線は、上のように図形のコーナー部分をきれいに仕上げるという事にも使えますし、位置決めを行う際の基準線にもできます。コーナー位置を決めて、そこに矩形を描きたい場合には、例えば次のような手順で作図します。
1.コーナーを合わせたい点を決める
2.点に合わせて基準線を引く
5.濃い線で矩形を描いて出来上がり
捨て線はコーナーだけでなく、中心の基準線とする事もできます。
斜めに描くときも、歪んだりせずに描きやすくなります。
タテ・ヨコの位置を揃えたい場合にも使えます。
捨て線は平面図だけでなく、立面図・断面図や各種のパース図でも使えます。 捨て線を引くと、線を引く回数は増えますので、時間が掛かりそうな印象があるかも知れません。しかし、位置合わせのときの作業のモタつきを減らしたり、スケールを当てて寸法を測定する回数を減らしたりする事ができますので、作業にかかる時間は変わらないか、むしろ短くなる事も多いです。そして何と言っても仕上がりは格段にきれいになります。色々な部分でストレスを緩和する効果が多いのではないかと思いますので、活用をおすすめします。また、律儀にあらゆる線の下書きとして何本も引かなくてはならないというものではありません。たった一本の捨て線が作業性を大きく改善するという事もありますので、色々と工夫して使いこなしてみて下さい。
細くて薄い捨て線を描くのには、どちらかというと重いシャープペンシルよりも、この様な軽いシャープペンシルのほうが力加減がしやすくて向いていると思います。
ぺんてる シャープペン グラフペンシル 0.5mm PG5-AD
ぺんてる シャープペン グラフペンシル 0.5mm PG5-AD
ぺんてる シャープペン グラフ1000 フォープロ PG1005 0.5mm