得点力を伸ばすには一時試験・二次試験に共通すること
うっかりミスによる失点を減らそう
総合的な得点力アップのために行っておきたい大事な対策のひとつは、うっかりミスによる減点の予防です。これは一次試験・二次試験のどちらの対策としても大事です。地味な対策に思えますが、最終的な合計点数に直結しますので、侮れません。
試験中に起こるうっかりミスはどんなパターンで起こりやすいのかを考えると、典型的なものに次のようなパターンがあります。
- 「最も関係のないもの/あるもの」を逆に読み間違える
- 問題は正確に読みながらも、書く段階で書き間違える
- 重要な条件を読み飛ばす
「最も関係のないもの/あるもの」を逆に読み間違える
この種類のミスを防ぐのに効果的なのは、問題文の「最も関係のないもの」や「関係のあるもの」などと指示している箇所を囲み線で囲んだり、アンダーラインを引いたりして目立たせたりする事です。インテリアコーディネーター試験の一時試験の問題文では、重要な部分に二重のアンダーラインを引いて強調してある事もあります。出題者が「ここは読み間違えやすいだろう」と判断してそうしてあるのだと思います。そのようにアンダーラインが引かれているにもかかわらず読み間違える、という事はなかなかありません。読み間違いをしてしまいやすいのはむしろ、アンダーラインが引かれていない部分です。そこで、アンダーラインが引いていないけれどここは重要だ、という部分には、自分自身の手でアンダーラインや囲み線を加筆してしまいましょう。それだけで、読み間違いのミスをかなり予防できます。
問題は正確に読みながらも、書く段階で書き間違える
この種類のミスを防ぐのに使える手法のひとつは、選択肢ひとつひとつの先頭の部分に◯や✕などの記号を書き込む事です。例えば、例文を読んで、例文の内容と合っている選択肢には◯の記号を、その内容と合っていない選択肢には✕の記号を、など、自分なりの一定のルールで、見分けがつきやすい目印を付けるようにします。一次試験では特に、ほとんどの問題が三者択一なので、3つある選択肢のうち、基本的には○が2つで✕が1つだけだとか、✕が2つで○が1つだけだという具合に「1つだけ仲間外れ」というパターンになります。そのようにして「仲間はずれ」の選択肢を確認したうえであらためてを問題文の指示を再確認すれば、何らかの問題の読み間違いや、書き間違いを防止できます。
もうひとつの手法は、完成した答案を読み直して、問題と噛み合っているかどうかチェックする事です。受験の本番は疲れのピークに達していると思います。しかしそこでのひと踏ん張りが今年限りで合格できるか、引き続きもう一年受験勉強をしなくてはならないか、を分けるかも知れません。時間があれば、最後の力を振り絞るつもりで、よくチェックをしておきましょう。
重要な条件を読み飛ばす
この種類のミスを防ぐのにも、囲み線やアンダーラインを記入する事が効果的です。重要なキーワードやセンテンスにアンダーラインを引いたり、囲み線を追加して目立たせるのです。あるいは、余白部分にキーワードを書き出すというのもひとつの方法です。この種類のミスは特に、二次試験で起こりやすいです。二次試験は問題文が長く、試験時間も割合タイトに設定されているため、読むのに疲れたり、呼んでいる間に集中力が低下したり、早く回答を始めたいという焦りの気持ちが働いたりして、こうした読み飛ばしなどのミスが起こりやすいです。それでいて1問あたりの配点が大きいため、このようなミスは致命的なミスになりやすいです。そんな二次試験ですが、都合の良い事に、色鉛筆を持ち込む事が許可されています。そこで、問題文を読むときに、色鉛筆を使い、目立つ色でアンダーラインや囲み線を引きながら読むと、ミスの予防につながります。
そして、その色鉛筆をさらに上手に使いこなすテクニックがあります。肯定的な要素や加算の要素には赤で、否定的な要素や減算の要素には青で印を付けるなど、自分なりのパターンを決めて内容によって色分けを行うのです。こうする事でさらに出題内容がビジュアル的に理解しやすくなり、ミスも起こりにくくできます。
その他のトレーニング
トレーニングで読解力そのものを伸ばそう
上の3つのパターンのミスを対策する事も効果的ですが、そもそも問題文の読解力そのものを向上させるという事にも効果が期待できます。
読解力がアップすると
- 「問題文が何を言っているのか分からない」というケースを減らせる
- 問題文を短時間で読む事ができてより多くの時間を回答を考える事に使える
というメリットがあります。
読解力は、大量に読書をするなどして、反復・継続的な経験をすれば自然にアップしていくものです。しかしそれには時間がかかりますし、ましてや試験日が迫っている状況で、受験勉強と並行して大量に読書をするというのはあまり現実的ではありません。
そこで大量の読書をしなくても、読解力を補強するためのテクニックを紹介します。それは、問題用紙の余白部分に効果的な描き込みをする事です。複雑で理解しづらい文章の内容を、図や表に変換して問題用紙の余白に書き出してみるのです。そうすると、複雑な文章の内容でも、直感的に理解しやすくなります。
どのような描き込みをするかというと、代表的なものには次のものがあります。
- 縦横の表
- ベン図
- 樹形図
- 矢印で示した関係図
- 不等式
問題によって、どれを使うと効果的か、という事は異なります。「この問題はこういう図に描き表すと理解しやすくなる」というのは、直感的なものもあります。本番でいきなり使いこなせるとは限りませんので、過去問題を解いて本番に向けた練習をする場合などに、少しずつトライしてみて、実戦で使えるように準備しておくと良いでしょう。