独学の勉強方法―二次試験

独学でインテリアコーディネーター試験の二次試験の受験勉強をするのは難しいと言われることは一般的によくある事です。しかしそこまで難しいと大騒ぎするほど難しい事ではありせんし、ましてや不可能という事などありません。私自身も独学で合格できました。
ここでは、単年で一次試験・二次試験の両方の合格を目指す場合をモデルにして、独学の勉強方法を紹介して行きます。

受験のスケジュールと学習計画


インテリアコーディネーター試験の一次試験から二次試験までの期間は、例年8週間程度です。8週間で二次試験に合格できるレベルまで仕上げるというのは、ゆとりなどほとんどなくタイトです。短い8週間をできるだけ有効活用できるように、計画を立てて学習を進めていきましょう。
私自身も、受験するにあたっては、一次試験かから二次試験までの日程の短さはかなり気になっていました。しかも働きながら受験にチャレンジしていたので、その短い期間中にあまり潤沢に学習時間を確保できる状況ではありませんでした。さらに予備知識のほとんどなかった私は一次試験までは一次試験に向けた勉強をするだけで精一杯で、二次試験の勉強には全く手つかずの状態でした。それが不安で仕方なく、一次試験の受験が終わると、試験会場から家への帰り道すら急いで、その日のうちに二次試験対策用の教材を読み始めたのを覚えています。

カレンダーを確認して急いで勉強を始める人のイラスト

二次試験は、一時試験に合格した場合に限って受験できます。そういうシステムでありながら、一次試験が終わってすぐには、一次試験に合格しているかどうかは分かりません。試験の合否が通知されるまでには1ヶ月ぐらい掛かります。なので合格した事がはっきり分かる時期にはもう、二次試験まで残り1ヶ月ぐらいになってしまいます。2019年からは発表のタイミングが遅くなり、二次試験のニ週間ほど前にならないと発表されない状態になっています。この事に関してインテリア産業協会からは情報の開示が無く、これが一時的なものかどうかは不明です。

さすがに1ヶ月や2週間の準備で合格するというのは相当難しいので、単年で一次試験にも二次試験にも両方合格したい場合は、合格しているのかしないないのかはっきりしない状態のまま、合格発表を待つことなく、一次試験が終わったらすぐに二次試験の受験勉強を始めてしまうしか無いでしょう。見切り発車的ではありますが、やむを得ません。

8週間をできるだけ有意義に過ごすには、できるだけ過去問題や想定問題を多く解く事をお薦めします。本番に近い予行演習を反復して行う事が、得点力をアップさせるのにとても効果的です。8週間の大まかな内訳は、これぐらいを目安にすると良いでしょう。

  • 2週間 テキストを読む
二次試験向けのテキストを読み、製図の基本を身につけます。しかしできれば、ここにはあまり時間を費やさない方が良いでしょう。テキストの内容が完璧に身についていない様な気がしても、2週間でスッパリやめて過去問題を解き始めた方が良いです。反対に、2週間も経っていなくても、もう十分かも知れないという感覚を少しでも感じたならば、この段階を切り上げ、思い切ってすぐに過去問題を解き初めてしまいましょう。
  • 6週間 過去問題集(予想問題集)を解く
過去問題を解き、模範解答と解説を見て自分の解答を自分自身で評価します。理解が足りない部分や、技術的に改善が必要な部分は必要に応じてポイントトレーニングを行い、克服しておきます。過去問題を解く時には、本番と同じ試験時間を計測しながら行います。


直近3年分位の過去問題はぜひとも解いておく事をお薦めします。試験方法はこれまでにたびたび少しずつ変更されてきています。時期にもよりますが、5-6年ぐらい前の試験と直近の試験とを比べると、けっこう試験の仕方が違っているものです。過去10年分位の過去問題を解くという勉強法もありますが、過去問題で練習するのは直近3-4年分ぐらいにしておき、直近の試験に近い予想問題を使って練習するというのがより効果的でしょう。
また、過去問題は一度練習してしまったらもう使えなくなってしまうというものではありません。あえて同じ問題を2度解いてみる事にも、意味はあります。1回目の2回目のプランニング内容を比較して、どちらの方がどの部分よく出来ているか、などを検証すると特に効果があります。

 製図問題(プレゼンテーション試験)の練習

二次試験の中で時間配分も答案作成の作業の比重も大きく、試験勉強にも多くの時間がかかるのがプレゼンテーション試験の製図です。

インテリアコーディネーター試験向けの練習に限らず、この様な製図の実技の練習をするという事に関しては、独学だとどうしても講師などのエキスパートに自分の描いた図面のチェックしてもらったり、添削を受けたりするといった事ができません。しかしだからといって、独学で試験対策をする事が不可能だという訳ではありません。一般的なテキストに書いてあるポイントをしっかりと押さえた製図ができるようになれば、独学であっても合格点をクリアできるレベルには十分なれます。

製図の受験勉強を行うにあたっては、配置や納まりなどを理論的に座学で覚える事ももちろん大事ですが、手を動かして図面を描く技能を上達する事も大事です。製図の技能を上達させるには、ぜひ本番に近い実戦形式で課題を解いてみましょう。特に、本番と同じ制限時間をタイマーなどで計測して、時間内で完成させる事を目指して行う事が特に効果的です。

先に建築士試験などに合格した人などでなければ、初めて過去問題にチャレンジした時には、とても難しいと感じる人が多いと思います。合格者の体験談でも多くの人がその様に感じたと言っています。私自身もそうでした。少しどころの難しさではなく、制限時間にまるで間に合わず、自分にはこんな試験に合格するなんてとても無理ではないかと自信を失ってしまうぐらいの難しさに感じました。しかし練習の回数を積み重ねていけば、回数を追うごとに上達して、やがて合格できる様になります。

私の場合、練習回数を重ねるに従って、この様に進歩して行きました。

  •  1~2回目  制限時間を大幅にオーバーした挙げ句、設問の指示の重大な見落としが。さらに線のはみ出しや消し残しで図全体が汚い。
  • 3~4回目  問題文を読む事に慣れ始め、指示の見落としがなくなる。しかし時間は大幅にオーバー。 
  • 5~6回目  手際よく製図するコツが分かり始める。図の汚なさが改善される。制限時間内で完成させられるまであと一歩
  • 7~8回目  制限時間内で完成。合格の希望を持ち始める。
  • 9~10回目  少しゆとりのある時間で完成。問題を読み直し、条件の抜け・漏れをチェックする余裕が生まれる。等角図・投影図・透視図のどの種類のパースが出題されても、慌てず対処できる。
  • 11~12回目 着色や家具の形に凝る余裕が出てくる。早く本番の試験を受けたくなってくる。


論文試験


論文試験もまた、独学の場合、いくらか勉強しづらさがあります。できれば自分が書いた文章の内容を受験指導者に読んでもらいながら練習したいものですが、それができません。しかし例年、そこまで難易度の高い出題がされる訳ではありません。
勉強法としては、これも製図試験と併せて、本番と同じ制限時間を計り、その時間内に書き上げる練習を繰り返すのが効果的でしょう。書き上げたら、模範解答と読み比べてみましょう。自分が書いた内容と模範解答の内容が偶然一致するという事などあまりありませんが、それでも模範解答からは色々なヒントを得る事ができます。「合格する人はどの様な事を考えながら回答しているのか」「自分の解答には何が足りないか」という事を考察しながら、模範解答を読む習慣を付けましょう。

一般的に、論文試験では、次の様な事に関して意識して解答すると良いです。
 
  • 制限時間内に書く。
  • 文字数の制限を守る
  • 記入後には誤字や脱字をチェックし、見つかったら修正する。
  • 読み返して、意味の分かりにくい部分をなくしておく
  • 妥当性や一般性のある事を書き、極論や独創的な内容を避ける
  • 適度な数の専門用語を文章中で使う
 製図試験に比べれば、そこまで難しくないという印象を持つ人は多いのではないでしょうか。論文試験とプレゼンテーションを比べて、プレゼンテーション試験の方にずっと大きな不安があるといった場合は、勉強に掛ける時間のバランスを調整して、プレゼンテーション試験により比重を置いて勉強するのが良いでしょう。

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