ひとりで学ぶ着彩―平面図の広い床を塗るときのひと工夫
「インテリアコーディネーター+平面図+着彩」でGoogle画像検索すると、このように多くの平面図の着彩の見本が見つかります。
ひとつ気が付くのが床の塗り方です。平面図の、LDKなど床の着彩は、面積が広いため全面的に塗るのが大変です。そこで、一部のみに彩色するという手法がよく採られています。多くの教材や講師の見本もその様になっています。45°に線を引いて塗り分ける、という塗り方がとても多いです。わかりやすいように、典型的な例を赤い色で示してみました。
おそらく多くの人がこの様に着彩して実際に合格していると思いますので、これがダメな塗り方だという事は決して無いと思います。しかし、この45°に斜線を引いて塗り分けるという方法は、言ってみれば部屋にある窓の存在を無視した塗り方です。
せっかく塗るのならば、塗る場所を少し工夫するだけで、これらの窓からの自然採光を表現する事もできます。そうすれば部屋の様子がより伝わり易い図面にできます。具体的にどの様に塗る場所を変えるのかというと、窓の光に対して影や暗がりができそうな部分を選んで塗るのが良いと思います。
この様な部分を塗ることで、塗っていない白い部分は窓からの光が当たっている部分のように、塗っている部分は光が当たっていないように見えます。省力化と窓からの自然光による陰影の表現が同時にできて一石二鳥です。実際に塗ってみた両者を比べてみましょう。
さらにラグ、ソファ、ダイニングチェアの上にかかる影もちょっと追加すると、より立体感のある平面図にする事ができ、リアルさや面白みも加わります。
ただ、時間に余裕があるのならば、この様に塗る範囲を限定して部分的に塗るというよりは、うっすらとでも床全体にわたって着色をして、影になりそうな部分をそれよりももう少し暗い色で塗る、というのがより良いと思います。「そんな風に頭を使いながら塗るのはなんだかめんどくさいなあ」という人でも、毎回機械的に45°の斜線を引いて塗るという事からはひとまず脱却して、とりあえず窓の位置は確認して、その窓からの自然光が届きにくそうな、窓から遠い領域を塗る、というのも、窓からの光による部屋の明暗を少しは表現できるひとつの手だと思います。
実務では一般的に、プレゼンテーション用の内観図は夜間の状態でなく日中の状態について作成するのが基本です。インテリアコーディネーター試験で出題される計画対象は住宅の居室が多いですが、住宅の居室には基本的に必ず窓があります。なぜなら築基準法上必要だからです。都市部の地価が高い場所などでは2枚組以上の引戸等で間仕切って2室を1室扱いににして採光する場合もありますが、そういう部屋がインテリアコーディネーター試験の問題に登場する可能性は小さいでしょう。
世の中には日中はほとんど家に居ないので夜間さえ快適に過ごせれば良い、という人もそう珍しくはありませんが、そういう事が特に条件や設問に書かれていないのであれば、日中の自然採光を考慮しないよりも考慮したコーディネートの方がより良いはずです。例えば、陽の当たる場所に人がくつろぐリビングを計画して、陽の当たらない場所に収納スペースを計画するなどです。そして図面への着彩によって自然採光を表現すれば、そのように自然採光にも考慮しながらコーディネートしたのだという事を採点者に対してアピールできます。
Google画像検索の結果を見てわかる様に、大多数の受験者は自然採光に対する意識が希薄だという弱点を抱えています。受験者ばかりでなく、指導者や実務者でもその傾向があります。基本的にインテリアコーディネーターは窓の設計というものをしません。ですからその実情を受けて、一次試験で自然採光に関してそう多くは出題されません。それに対して、照明器具はインテリアコーディネーターが扱うかなり存在感のあるインテリアエレメントのひとつですので、例年自然採光よりも数多く、内容的にも多角的に出題されます。これが市販のテキストにも反映されており、自然採光に関する解説はごく僅かしかないのに対し照明に関してはもっと多くのページ数を割いて詳しく說明しています。おそらくスクールでの授業時間の割き方なども同じ様な傾向があるでしょう。ですから殆どの受験者は、あるいは指導者も、どうしても照明のほうに関心が向かい、窓からの自然採光に対しては意識が希薄になってしまいがちなのです。
そうしたライバルたちの弱点を認識できればこっちのものです。ほとんどの受験者が自然採光を反映していない着彩をしている中、自分だけが自然採光への意識が見て取れるような解答を提出すれば、多くのライバル達よりも採点者に対してよりアピールできるでしょう。
直近では特に、レイアウトの難易度が低く、おそらくほとんどの受験者が配置計画を完成できそうな出題が続いていますが、それにもかかわらず二次試験の合格率は特に上昇していません。ですので、問題の無いレイアウトを無難に完成できたからといってそれだけでは安心できず、「レイアウトはできて当たり前で、それ以外の部分で合否が決まっている」という、従来よりも質の高い解答を求める採点をしている状況も想像できます。試験まで残り1ヶ月を切った今頃ではそろそろ、制限時間内にひと通りの解答が作り切れるようになったという人が増えてきた時期ではないかと思います。これから先は周りの受験者たちとの競争に勝ち残るつもりで、試験の直前まで、様々な角度から図面の表現の工夫を続けて行くのが良いでしょう。
ひとつ気が付くのが床の塗り方です。平面図の、LDKなど床の着彩は、面積が広いため全面的に塗るのが大変です。そこで、一部のみに彩色するという手法がよく採られています。多くの教材や講師の見本もその様になっています。45°に線を引いて塗り分ける、という塗り方がとても多いです。わかりやすいように、典型的な例を赤い色で示してみました。
おそらく多くの人がこの様に着彩して実際に合格していると思いますので、これがダメな塗り方だという事は決して無いと思います。しかし、この45°に斜線を引いて塗り分けるという方法は、言ってみれば部屋にある窓の存在を無視した塗り方です。
せっかく塗るのならば、塗る場所を少し工夫するだけで、これらの窓からの自然採光を表現する事もできます。そうすれば部屋の様子がより伝わり易い図面にできます。具体的にどの様に塗る場所を変えるのかというと、窓の光に対して影や暗がりができそうな部分を選んで塗るのが良いと思います。
この様な部分を塗ることで、塗っていない白い部分は窓からの光が当たっている部分のように、塗っている部分は光が当たっていないように見えます。省力化と窓からの自然光による陰影の表現が同時にできて一石二鳥です。実際に塗ってみた両者を比べてみましょう。
さらにラグ、ソファ、ダイニングチェアの上にかかる影もちょっと追加すると、より立体感のある平面図にする事ができ、リアルさや面白みも加わります。
ただ、時間に余裕があるのならば、この様に塗る範囲を限定して部分的に塗るというよりは、うっすらとでも床全体にわたって着色をして、影になりそうな部分をそれよりももう少し暗い色で塗る、というのがより良いと思います。「そんな風に頭を使いながら塗るのはなんだかめんどくさいなあ」という人でも、毎回機械的に45°の斜線を引いて塗るという事からはひとまず脱却して、とりあえず窓の位置は確認して、その窓からの自然光が届きにくそうな、窓から遠い領域を塗る、というのも、窓からの光による部屋の明暗を少しは表現できるひとつの手だと思います。
実務では一般的に、プレゼンテーション用の内観図は夜間の状態でなく日中の状態について作成するのが基本です。インテリアコーディネーター試験で出題される計画対象は住宅の居室が多いですが、住宅の居室には基本的に必ず窓があります。なぜなら築基準法上必要だからです。都市部の地価が高い場所などでは2枚組以上の引戸等で間仕切って2室を1室扱いににして採光する場合もありますが、そういう部屋がインテリアコーディネーター試験の問題に登場する可能性は小さいでしょう。
世の中には日中はほとんど家に居ないので夜間さえ快適に過ごせれば良い、という人もそう珍しくはありませんが、そういう事が特に条件や設問に書かれていないのであれば、日中の自然採光を考慮しないよりも考慮したコーディネートの方がより良いはずです。例えば、陽の当たる場所に人がくつろぐリビングを計画して、陽の当たらない場所に収納スペースを計画するなどです。そして図面への着彩によって自然採光を表現すれば、そのように自然採光にも考慮しながらコーディネートしたのだという事を採点者に対してアピールできます。
Google画像検索の結果を見てわかる様に、大多数の受験者は自然採光に対する意識が希薄だという弱点を抱えています。受験者ばかりでなく、指導者や実務者でもその傾向があります。基本的にインテリアコーディネーターは窓の設計というものをしません。ですからその実情を受けて、一次試験で自然採光に関してそう多くは出題されません。それに対して、照明器具はインテリアコーディネーターが扱うかなり存在感のあるインテリアエレメントのひとつですので、例年自然採光よりも数多く、内容的にも多角的に出題されます。これが市販のテキストにも反映されており、自然採光に関する解説はごく僅かしかないのに対し照明に関してはもっと多くのページ数を割いて詳しく說明しています。おそらくスクールでの授業時間の割き方なども同じ様な傾向があるでしょう。ですから殆どの受験者は、あるいは指導者も、どうしても照明のほうに関心が向かい、窓からの自然採光に対しては意識が希薄になってしまいがちなのです。
そうしたライバルたちの弱点を認識できればこっちのものです。ほとんどの受験者が自然採光を反映していない着彩をしている中、自分だけが自然採光への意識が見て取れるような解答を提出すれば、多くのライバル達よりも採点者に対してよりアピールできるでしょう。
直近では特に、レイアウトの難易度が低く、おそらくほとんどの受験者が配置計画を完成できそうな出題が続いていますが、それにもかかわらず二次試験の合格率は特に上昇していません。ですので、問題の無いレイアウトを無難に完成できたからといってそれだけでは安心できず、「レイアウトはできて当たり前で、それ以外の部分で合否が決まっている」という、従来よりも質の高い解答を求める採点をしている状況も想像できます。試験まで残り1ヶ月を切った今頃ではそろそろ、制限時間内にひと通りの解答が作り切れるようになったという人が増えてきた時期ではないかと思います。これから先は周りの受験者たちとの競争に勝ち残るつもりで、試験の直前まで、様々な角度から図面の表現の工夫を続けて行くのが良いでしょう。