新登場の「勾配定規」って何?
2018年から、二次試験に持ち込める製図道具に勾配定規が追加されました。
勾配定規は、その名の通り勾配を記入するための定規です。ツマミ兼留めネジが付いており、これをひねると締まったり緩んだりします。時計と反対周りに回すと緩める事ができます。緩んだ状態で2つのパーツの開き具合を調整し、ツマミを時計回りに締めると、その角度をキープして固定できます。無段階に自由に設定する事ができますが、目盛も着いているので、特定の角度の勾配に設定する事ができます。三角定規にはない様な角度で固定する事もできます。
建築士試験などでは、平行定規(より厳密に言うと平行定規付きの製図板)の持ち込みが可能で、ほぼ全ての受験者がこれを使用します。これはインテリアコーディネーター試験では使用できない道具です。製図板の上に貼ってはがせるテープで図面を固定し、水平線は製図板の上を平行移動する並行定規で描きます。垂直線は平行定規に三角定規を当てて描く、というのが基本的な使い方です。勾配定規も、三角定規のように平行定規に当てて使うのが一般的な使い方です。
勾配定規単体では、解答用紙の水平線に直接合わせづらいかも知れません。その場合は、一旦厚め・長めの直定規を解答用紙の水平線に合わせて押さえておき、その直定規に勾配定規を当てるといくらか合わせやすのではないでしょうか。そして、その状態で直定規の方を動かさないようにして、勾配定規だけを動かせば、一定の角度の斜めの平行線を次々と描くことができます。
大学や専門学校の建築科に通っていた人には馴染みがあると思いますが、そういう場所で製図を習ったことの無い人は、初めて見聞きしたという人も多いのではないでしょうか。そんな人に向けて解説します。
どんな道具?
勾配定規は、その名の通り勾配を記入するための定規です。ツマミ兼留めネジが付いており、これをひねると締まったり緩んだりします。時計と反対周りに回すと緩める事ができます。緩んだ状態で2つのパーツの開き具合を調整し、ツマミを時計回りに締めると、その角度をキープして固定できます。無段階に自由に設定する事ができますが、目盛も着いているので、特定の角度の勾配に設定する事ができます。三角定規にはない様な角度で固定する事もできます。
建築図面でよく使われるのは、立面図や断面図です。勾配屋根や、道路・北側・隣地や高度地域の高さ制限のラインを示す事によく使われます。この用途では、勾配定規以上に使いやすい道具は無いでしょう。もちろん実務で手描き製図をする事などもうほとんどありませんが、建築士試験などでは今でも使います。
使い方は?
インテリアコーディネーター試験では2018年にようやく使えるようになったばかりの勾配定規ですが、建築士試験では従来から使えました。勾配の部分に限らず、垂直線を引くのに三角定規の代わりに好んで使う人も一定数見られます。
このように購買定規を好む人が居るひとつのポイントは、勾配定規に取り付けられているツマミの存在です。ふつうの三角定規にはツマミが付いていませんが、勾配定規には必ず付いています。ツマミは、角度を調整するときに緩めたり締めたりする機能と、定規自体を移動させる取っ手の機能とを兼ねています。ツマミをつまんで製図用紙上を移動させたり、クルッと回して一瞬で左右反転した角度に合わせる事などができます。
インテリアコーディネーター試験ではどう使うの?
インテリアコーディネーター試験では、勾配屋根の立面図や断面図を描く事はまずありません。平行定規も持ち込めません。なので、建築士試験とはまた違う使い方が考えられます。
役立ちそうな場面が考えられるのは、アイソメ図とアクソメ図です。アイソメ図とアクソメ図は、基本的には30度と60度の三角定規があれば描けるので、人によっては使わないかも知れません。しかし、ツマミをうまく使いこなせば、三角定規三角定規より楽に、速く定規を動かす事ができ、その結果楽に製図ができるかも知れません。
勾配定規を使うならば、長くて厚みのある直定規をセットで使う事を考えるのもひとつの考え方だと思います。
ステッドラー 定規 勾配定規 マルス 20cm 964 51-8
コンパクトなサイズを好む人向けの選択肢、15cm。建築士試験では、このサイズの勾配定規を熱烈に愛用する受験者が一定数居る。
ステッドラー 定規 勾配定規 マルス 15cm 964 51-6
品番からはサイズが分かりづらいが、これも万人向けミッドサイズのの22cmだ。価格がちょっと安めなのに、そしっかり3mm厚で、反射を抑えるフロスティな表面処理がしてあったりして、コスパが高い。クラウン製。
ノングレアタイプ 勾配定規(角度・勾配・斜面比目盛付) CR-HR310
どんな勾配定規を選ぶか?
インテリアコーディネーター試験に使いやすそうな勾配定規の製品をいくつかセレクトしてみました。
ところで、将来的に二級建築士の受験も視野に入れている人は、あまり大きすぎずある程度コンパクトなものを購入しておくのがお勧めです。二級建築士の試験では、3年のうち2年の割合で、木造の建築物を設計する課題が出題されます。その出題では、小さめの勾配屋根の立面図、断面図(矩計図または部分詳細図)あるいはその両方を描くケースがほとんどなのですが(屋根の形状と断面図の切断方向次第では全く使わない場合もあります)、その時にある程度コンパクトな勾配定規のほうが使いやすいです。インテリアコーディネーターでも、どちらかと言えば大きな勾配定規よりはコンパクトなものの方が扱いやすいです。極端に小さいと、それはそれで使いづらいですが、大きなものだと長い線が引けて便利というメリット以上に、動かしづらくて使うのが嫌になるとか、平行定規と組み合わせて使う場合に図面の端のほうの線が引きづらい(ふつうの使い方だと引けない)というデメリットが目立ってきます。大き過ぎないものを買う事がかなり大事だと思います。
大きすぎず、小さすぎずのサイズ感の22cm。直線部分に目盛が付いており、これひとつでの線も引けるし、長さの測定もできる。道具をあれこれ持ち替える手間が減らせて便利だ。
20cmも、ちょうどいいぐらいのサイズだ。品質が安定しており、価格があまり高くない、人気のステッドラー。
ステッドラー 定規 勾配定規 マルス 20cm 964 51-8
コンパクトなサイズを好む人向けの選択肢、15cm。建築士試験では、このサイズの勾配定規を熱烈に愛用する受験者が一定数居る。
ステッドラー 定規 勾配定規 マルス 15cm 964 51-6
品番からはサイズが分かりづらいが、これも万人向けミッドサイズのの22cmだ。価格がちょっと安めなのに、そしっかり3mm厚で、反射を抑えるフロスティな表面処理がしてあったりして、コスパが高い。クラウン製。
ノングレアタイプ 勾配定規(角度・勾配・斜面比目盛付) CR-HR310