一次試験の勉強法のモデル
目次
計画を立てて始めよう
ここで紹介する勉強法のモデルについて
おすすめの勉強法モデル
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テキストを通して速く読む
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もう1度テキストを速く読む
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過去問を解いて丁寧に答え合わせ(2年前か3年前の問題)
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別の年の過去問を解いて答え合わせ(多くこなすほどベター)
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[テスト直前]昨年の問題を解いて答え合わせ(実力を把握する)
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マスターできていない部分のポイントトレーニング
計画を立てて始めよう
独学での受験勉強をスタートするのには、まず計画を立てる事が大事です。試験の出題範囲はそれなりに広いので、計画を持たないまま漠然と勉強しても、試験の本番までに合格に必要な知識や問題の解き方が十分に身につかない危険があります。大まかでも構わないので、こんな手順で勉強する、そしてこの時期にはこれ位まで進む、という、工程と時期をイメージできるような、試験の本番までのロードマップを持っておくのが良いです。そして、インテリアコーディネーター試験の一次試験は、かならずしも満点でなくても、一定以上得点できれば合格できる試験です。時間がないとか、どうしても長時間勉強するのが苦痛すぎてそんなにたくさん勉強できないので試験範囲全体を勉強しきれないといった人でも、取捨選択を上手にすれば、合格が狙えるという、そういう試験でもあります。
そこでもまた計画は活きてきます。試験範囲全体を俯瞰して見ながら、計画を立てていきましょう。端からきっちり勉強していくのでなく、配点の少ない割にマスターするのに時間が掛かりそうな部分ははじめのうちは大胆に飛ばしてしまって、後で時間が余ってから勉強する、という計画を立てるのです。「ここと、ここと、ここは、最初のうちは飛ばしてしまおう」という事を、あらかじめ計画しておきます。逆に、短時間でマスターできて、得点源としてボリュームが稼げそうな分は、優先的に学習していくようにしましょう。
そして一度立てた計画は絶対ではありません。始めから上手な計画を立てるという事は誰にでも難しいです。今の計画があまり良くないと感じたり、計画と実行が大幅にズレてどうしようもなくなったりしたら、フレキシブルに変更すれば良いのです。とにかく、なにも計画性の無い状態で勉強する、という事は避けるべきなのですが、過度に完璧主義になってしまうのも支障になりがちです。はじめのうちの計画は粗削りであっても構いません。何かしらの計画を立てて、それに沿って実行するという仕組みをもつこと、そして、計画を立てて実行するという行動スタイルに慣れるという事がまずは大事です。
ここで紹介する勉強法のモデルについて
同じ長さの時間を勉強に費やすのなら、できるだけ得点力アップにつながる、効果的な計画や勉強法で取り組みたいところです。
しかしどんな計画や勉強法が効果的なのか、というのは、それぞれの人によって異なると思います。人にはそれぞれ個性があります。
ただそうはいっても、自分の個性を把握して、自分に合った計画や勉強法を生み出すというのは時間が掛かりますし、難しくもあります。
なので、ここでは、比較的多くの人に効果がありそうな計画と勉強法を、ひとつのモデルとして紹介します。
私はこれまで色々な資格試験を受けて、合格してきました。インテリアコーディネーター試験もそのひとつで、最初のチャレンジで一発合格できました。インテリアコーディネーター試験の他には、二級建築士、ニ級建築施工管理技士、一級カラーコーディネーター(環境色彩)、宅建士、管理業務主任者、第二種電気工事士、測量士補などの試験にも合格しています。どうすればできるだけ少ない勉強時間で試験に合格できるか、というノウハウは、同じ年齢の平均的な人に比べて、多く持っていると思います。
そこで、私独自のメソッドを盛り込みつつ、概ね万人向けといえそうな勉強法を紹介していきたいと思います。もちろん、人によって個性があると思うので、各自にもっと合うような改良点が見つかれば、どんどん改良して頂きたいと思いますし、自分にはまるっきり合わないと感じる様ならば、まったく違う計画で勉強して頂くのが良いと思います。
ここで紹介しているのは、過去問題を重要視する勉強法です。
例えば、今まで解いてみたことのない、過去のある年度の試験問題を用意してみます。あるいは本番の試験にそっくりな予想問題集を用意してみます。そして、初めて目にするその問題を、本番と同じ制限時間を計って解いてみます。解き終わったら答え合わせをして、合格ラインを超える点数を取れたとします。その人は本番でもきっと合格できるでしょう。それが「試験勉強が仕上がった」状態です。受験勉強はその状態になれる事を目指して行います。
どのようにすればその状態になれるか、というモデルをここで紹介します。
おすすめの勉強法モデル
1.テキストを通して速く読む (2~3週間)
テキスト全体を急いでざっと読みます。2~3週間で一冊まるごと読み切るのが目安です。ここでの目的は、試験範囲全体ではどのような事が出題されるか、という事を把握する事と、テキストのどの辺りにどんな事が書いてあるか、という事をざっくりと頭に入れる事です。細かい内容を記憶しようとする必要などありません。ただ一度読んだだけでは、よほどの天才でない限り、記憶する事などまずできません。しかし記憶しようというつもりは無くても、テキスト一冊のなかになんとなくでも覚えてしまう箇所というのができるものです。それが5~6箇所程度もあれば上出来です。それも断片的な記憶であったり曖昧な記憶であってかまいません。
この段階では、内容を覚える事と、速く読み終わる事とでは、早く読み終わる事の方が大事だと考えても良い位です。読むのにあまり時間をかけてしまうと、始めの方に書いてあった事を完全に忘れてしまいます。内容までは覚えておく事はありませんが、読んだか読んでないかも忘れてしまうぐらいになってしまうと、そこの部分は読まなかったのと実質的に変わらなくなってしまい、それはさすがに意味がありません。
また、読んでいると、「前に出てきた用語の気がするが、意味を忘れてしまった」という事が度々起こると思います。そんな場合には、思い切って調べ直さないまま読み進めてしまうという事でも構いません。どうしても違和感がありすぎて調べずにはいられないという人は、テキストを戻り読みする代わりに用語集を用意しておいて用語集で調べたり、あるいパソコンやスマートフォンなどで検索して調べると、時間のロスが少なく、ストレスも少ないので、それもひとつの方法です。ま
2.もう1度テキストを速く読む (1~2週間、スキップしてもOK)
1をやってみて、出題内容がどんなものか何となく雰囲気だけでも把握できて、もう一回読まなくても大丈夫かも知れないと漠然とでも感じた人は、このステップはまるごと省略して、次のステップに進んで構いません。むしろ、そのほうが効率が良いです。1でテキストを読んでみたけど、このままの状態で過去問を解くのにはどうしても記憶に違和感を感じ過ぎてどうしようもない、という人に限って、テキストをもう1通しで読むと良いです。それ以外の人は飛ばして次に進む、というのがこのステップです。そしてここでもまた、スピーディーに読み切ります。勉強の開始直後の初期段階では、テキストを端からじっくり1回読み込むよりも、ササッと2回読んだ方が全体的に頭に残るという事もあります。それぐらいの気持ちでこのステップはさっさと終わりにして、次に進みましょう。
3.過去問を解いて丁寧に答え合わせ(2年前か3年前の問題) (~1ヶ月)
本番の試験と同じ時間を計って、ある年1年分の過去問題をまるまる解きます。もう本番と同じ時間を測って過去問にチャレンジするのか、とびっくりする人も居ると思いますが、あえてそれをやってみるのがおすすめです。過去問題にチャレンジするのは、早ければ早いほど良いと思います。
最初は一昨年(おととし)の問題を解いてみるのがおすすめです。昨年の問題は、本番直前まで取っておきます。もしも昨年の問題を解いてしまったならば、その代わりに一昨年の問題を本番直前まで取っておくと良いでしょう。
過去問題を解くときには、本番通りの時間を測って解きます。解いている途中で時間切れになってしまったら、そこで一旦やめて、制限時間内ではどれぐらい回答できたのか、という事を集計できるように、解いた問題に目印をつけるなどして記録しておきます。そのうえで、時間内に解けなかった残りの問題も解いてみて、全部解くまでに掛かった時間を記録し、制限時間終了後に解いた部分も含めて、答え合わせをします。
おそらく、初学者ならば、採点結果はとんでもなくボロボロのはずです。それで全然構いません。あらゆる初学者は、ボロボロの所からスタートします。
採点をしたら、ひとつひとつの問題の検証を行います。そのときに、あいまいな勘でなく理論的に判断をしたうえで正解できた問題がもしもあるなら、飛ばして構いません。そうでなかった問題は、解説をしっかり読み、なぜそれが正答なのか、解法をきちんと理解します。特に、まぐれ当たりで正解しても本当の意味での得点力は身についていませんので、まぐれ当たりの問題までスルーしてしまわない様に気をつけましょう。過去問題集の解説文を読んだだけでは理解できない、という場合は、テキストの該当する部分まで読んで、根本的に理解します。
全問の解法をきちんと調べ終わったら、その年の問題をあらためて再び、まるごと本番どおりに時間を計って、最初から最後まで再び解いてみます。これで再び間違えたり、まぐれ当たりした箇所は、再び解法を調べてきちんと理解しまする。ちゃんと解法が分かったうえで満点を取れる様になるまで、これを繰り返します。もちろん、厳密に満点ピタリまでやらなくても、ここまでやれば十分仕上がった、という段階に達すればOKです。ただし、仕上がったかどうかの自己判定は、甘いよりは厳し目のほうが良いと思います。
これを行っているうちに正解の番号の数字だとか、問題の語句まで、ダイレクトに記憶してしまうという事が起こってきます。それはそれで構いません。多かれ少なかれそういう現象が起こって正常です。それにより、一瞬で答えられる問題が出てくるため、本番通りに制限時間を測って解いていると時間が余ってしまうようになると思います。そうしたら時間がもったいないので、全部解き終わった時点でタイマーを止めて、答え合わせと理解できていない部分の確認と復習に入ってしまうのが良いです。
この、最初に取り組んだ1年分の過去問題が全問正答できるようになるまでのステップを仕上げるのには、1ヶ月位かかってしまっても構いません。私は個人的に、資格試験の受験勉強をしているときに、全行程の中で最も辛くて苦しい工程がこの辺りだと感じます。しかしそれは同時に、最もハードなトレーニングメニューに取り組み、急角度で得点力がアップしている事の裏返しではないかと思います。オセロを一枚一枚ひっくり返す様に、「点が取れない問題」を「点が取れる問題」へと、一問一問変えていくイメージです。
4.別の年の過去問を解いて答え合わせ(多くこなすほどベター)
これが完了したら、さらに別の年の過去問題を解き、答え合わせをして解法を検証します。これを繰り返します。
繰り返すごとに、解法の検証はどんどん短期間でできる様になっていき、それほど辛く感じないようになってきます。
大事なのは、点数の変化を追っていく事です。今の自分はどれ位の得点力があるのか、という事を意識しながら取り組んでいきましょう。
インテリアコーディネーター試験では、勘の良い人ならば、この様な勉強を2~3年分の過去問題を使って行えば、得点力が合格圏内に達し始めると思います。特別勘の良い人でなくても、4~5年分行えば、ほとんどの人は合格圏内に達するでしょう。
5.[テスト直前]昨年の問題を解いて答え合わせ(実力を把握する)
4までの工程が十分仕上がったと感じたら、直近の過去問題を解いてみます。いわば、「ひとり模擬試験」です。これで、どの程度の得点力があるのかを確認できます。いくらか余裕を持って合格ラインを超えられるならば、あとは試験日に会場に行って同じ事をするだけです。6.マスターできていない部分のポイントトレーニング
ここまで勉強をすすめると、覚え方が曖昧な部分など、勉強が手薄になっている部分がピンポイントで思い当たるようになってきます。そういう部分をピックアップし、テキストを読んで理解しておきます。弱点を見つけては克服する、という作業です。 過去問題を使った勉強を十分にこなし、合格レベルに既に達した人にとっては、得点力をさらにアップさせ、合格を一層確実にするためのダメ押しの様な作業です。ここまでやれば、まず合格できると思います。本番で試験時間が余って、きっちり見直しができる様になる位のレベルになってきます。それを目指しましょう。