[平面図]線の太さの使い分け
図面には線の太さの使い分けがある
インテリアコーディネーター試験に限らず、建築図面の平面図は、3D感が感じられない図面なので分かりづらいですが、フロアレベルから概ね1.5mぐらいの高さで切って上から見た状態を描いている図です。
しかし単純にまっすぐ切るだけではなく、建具や家具があって「ここの部分を見せたほうが状況が分かりやすい」という部分があれば、臨機応変に断面位置を上下させます。そこはある意味いい加減にできています。
平面図は、基本的には線の太さを使い分けて描きます。壁や建具が切れている部分を切断線といい、太い線で描きます。下の図は、RCラーメン構造のマンションの部屋を水平に切って斜め方向から立体的に見た様子ですが、この図の青い線の部分がそうです。
切断線以外の、向こう側に見えているだけの部分は、見掛かり線(みえがかりせん)と言い、切断線よりも細い線で描きます。断面線と見掛かり線とでは、切断線の方が重要度が上です。なので目立つ太い線で描きます。
線の太さに関しては、基本的には太線(ふとせん)、中線(ちゅうせん)、細線(さいせん)の3種類を使い分けます。
試験での線の太さの使い分け
インテリアコーディネーター試験の平面図では、例えばこの様に使い分けると良いと思います。
- 太線―断面線
- 中線─家具などの外形線
- 細線─それ以外の見掛かり線(イスの座面と背もたれの境目の線、仕上げ材の目地など)
名称や説明を描き込む際の引き出し線だとか、あるいはインテリアコーディネーター試験ではあまり書き込む機会はありませんが寸法線などは細線もしくは中線で描くのが見やすいでしょう。
ただ、3種類の太さの線を描き分けるのは難しいので、太線と細線の2種類の使い分けだけでも良いと思います。
その場合は、
- 太線―断面線
- 細線─見掛り線
これがスタンダードな考え方だと思います。
しかしインテリアコーディネーター試験の平面図では壁や建具を書き込む箇所が非常に少なく、家具を書き込む場所が圧倒的に多いため、切断線はごく僅かで、ほとんどの線が見掛かり線だという、量的なバランスの偏りがあります。なので
- 太線―断面線と家具の外形線
- 細線─それ以外の見掛り線
という使い分けでも良いと思います。線の太さの選択に関しては、プレゼンテーション用の図面という位置づけですし、途中までCADで描いた図面の続きを手描きで描くという特殊な状況でもありますので、問題文中に特に指示がなければ、作図者の裁量に任されていると考えて良いでしょう。見やすい仕上がりを考慮して決めましょう。一律にこうしなくてはならない規則みたいなものは特にありません。
過去の受験者は実際どのように描いていたのか、という事を公式サイトにある解答例で調べてみるのも、とても参考になります。
線の太さを描き分けるには
太さの違う線を描き分けるには、手加減だけで描き分けられるように線の引き方を練習するという発想もあるのですが、私は芯の太さが違うシャープペンシルを使い分けるのが良いと思います。あまり細かい事に気を遣わずにバンバン作図でき、明確な線の太さの違いが出しやすいからです。その場合、作業手順を工夫して、ペンを持ち替える回数を少なくするとスピードアップできます。
私の場合は0.5mnと0.7mmを使い分けてもあまりはっきりした違いが出せないので0.5mmと0.9mmを使い分けていました。こうした事は筆圧の強さや鉛筆を倒す角度などでかなり個人差があると思います。シャープペンシルは相当多くの種類がありますので、試験中のちょっとした気分転換を兼ねて自分にしっくり来るものをあれこれ選んでみるのも良いのではないでしょうか。
メリハリの効いた太線に―太め製図用シャープペンシル特集
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典型的な低重心タイプ。破損しやすい先端のパイプを収納できる機能付き。
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