[一次試験] 「ユニット」の概念を覚える
「ユニット」の概念を覚える
インテリアコーディネーター試験の一次試験でよく出題される「ユニット」という概念についての解説です。
2021年・2020年とも、ほぼ同じ内容の出題がありました。
(2021年第18問・2020年第16問)
問題
「ユニット家具」とは何を組み合わせる方式か?
選択肢
(1) フレーム (2) パネル (3) 箱体
(著作権の都合上文章は変えてあります)
正解は(3) 箱体 です。
丸暗記で正解できない事もありませんが、それでは苦痛なばかりで面白さも無いと思います。この記事のテーマは、丸暗記ではなく、考える事で「箱体」という正解にたどり着く事ができるようにしよう、というものです。
この機会に「ユニット」について少し詳しく掘り下げてみましょう。
「ユニット」と名付けられるものには色々な特徴がありますが、試験問題を解くのにぜひとも押さえておきたい特徴として、「置くだけで使える」というものがあります。まずはこの特徴を頭に入れておきましょう。
そして、これを頭に入れて、日本3大ユニットとでも呼ぶべき
- ユニット家具
- ユニットハウス
- ユニットバス
という、有名な3つの「ユニット」についてそれぞれ見ていきましょう。
ユニット家具
問題文にも登場したユニット家具です。ユニット家具というと、家具が大好きな人以外はあまりピンと来ないかも知れませんが、下の図ようなものならばすぐにイメージしやすいのではないでしょうか。
ユニットハウス
ユニットハウスとはこのようなものです。
連結されてロードサイドの店舗や工事現場の仮設事務所などとして使われているものをよく見かけますが、単体でも住宅の離れや小規模な事務所などに使われています。工場で製品として作ってあります。それをユニック車(荷台とクレーンが付いたトラック)などで運んで来て基礎の上に設置すれば使うことができます。このように、工場で既に建築物の形になっているもの生産し、それを運んできて現場では設置するだけ、という工法のことを、ユニット工法と呼びます。
ユニットバス
今日のバスではこのユニットバスが多数派です。ユニット化されていない昔ながらのバスのことを在来工法のバスと言います。
ユニットバスは、ユニット家具やユニットハウスとは違って完成した状態で運搬される事は少なく、分解されてコンパクトなパッケージに包まれた状態で現場に納品されたものを職人さんが現場で組み立てる、という方式が一般的です。職人さんは大体メーカーで設置作業の講習を受けています。現場で組み立てるので「ユニット」の特徴がちょっと弱い感じがするかも知れません。しかし、天井・壁・床・扉に浴槽や水栓、さらに照明器具や換気扇と、必要なものは一式セットに含まれており、組み立て上がれば浴室として必要なものが全て一式揃っている、箱型の空間が完成します。一式でひとつの浴室として完結しており、ほかの物を付け足さなくても使えるという点は、まさにユニットの特徴と言えます。ただやっかいな事に、ハイグレードなユニットバスを中心に「システムバス」と名乗る動きも最近では見られます。「システム」とは、「規格化されたパーツで作る」という概念ですので、たしかにそれにも当てはまってしまいます。若干モヤっとさせてしまったかと思いますが、私のせいではなくてメーカーのせいなのでご勘弁下さい。
「ハーフユニットバス」というものもあります。それは水平に半分に切って上半分を無くしたかのように、壁の上のほうと天井がありません。壁のタイルや、特殊な形の窓や天井にこだわりたい場合に向いています。
「シャワーユニット」や「ユニットシャワールーム」と呼ばれるものもユニットバスの仲間です。ユニットバスのような浴槽はなく、洗い場の壁・天井・ドア・床とシャワー、それから換気扇と照明がユニット化されたものです。
以上、3つの「ユニット」について見てきました。ユニットの特徴をふまえて答えるような問題の場合、これら3つを思い出し、共通点を考える事で正解の選択肢が見えてくる場合が多いです。また、建築やインテリアの分野で「ユニット」を探すと他にもまだありますので、探してみましょう。