[一次試験] 過去問題の解説―2021年度(第39回)第40問ウ 全天空照度に関する問題
インテリアコーディネーター一次試験2021年度(第39回)第40問ウの解説
環境工学の全天空照度に関する問題です。
正解すること自体はそこまで難しくはありませんが、建築業界の人でもほとんど知らない非常にマニアックな専門用語が登場する珍問と言えるでしょう。
「1.直射日光」を選ぶと正解です。
全天空照度とは、地表の水平面が天空光から受ける照度の事で、ひとことで言えば天空光の明るさです。
太陽光(昼光)は、直射日光と天空光に分けられます。ですから直射日光は、太陽光のうち天空光「じゃない方」です。
ここまでの事を知っていれば、直射日光は全天空照度に影響を及ぼさない、という判断がつき、すぐに正解の選択肢が分かります。
しかし、クセが強いのは、残りの2つの選択肢「青空光」「曇天光」です。おそらく聞いたことのない人が多いと思いますが、それもそのはずで一般的な大学の学部の環境工学のテキストにも載っていないぐらいマニアックな専門用語です。
ネット検索で調べると、「青空光(晴天光)」と「曇天光」を合わせたものが天空光だという情報がかろうじて見つかります。それなら確かに、全天空照度に影響を及ぼすはずですから、話の辻褄が合います。
マイナーなトリビアではありますが、覚えづらいものではありませんので、この機会に覚えてしまいましょう。
天空光とその明るさである全天空照度は、よく出題されます。それらの特徴についてはよく理解して、ある程度詳しくなっておきましょう。
- 天空光は日中であれば太陽の方向以外からも届く
- 天空光は日中であれば晴れている時に限らず、曇や雨の時でも発生している
- 全天空照度は快晴の時よりも、薄曇りの時の方が大きい。
- 建築基準法の単体規定で定められている居室の採光は、直射日光の事は考えず天空光についてだけ考えている。